あけましておめでとうございます。
2010年になりました。
昨年は政治、経済と大きな変化を迎えた一年でした。
まだ世の中の混乱は続くと思われますが、こういう時代だからこそチャンスが訪れていると思います。
リーマンブラザーズが倒産してからすでに一年以上経過。一時の混乱と比較すれば落ち着きを取り戻したものの、依然景況感に前進は無く閉塞感を払拭できません。
政治の世界では公共事業による特需ではなく直接給付による内需拡大が言われていますが、効果を発揮するのはまだ先のようです。
3月から4月ごろには回復基調になってくるとの見方もありますが、厳しい状況はまだ続くと思います。民主党が政治政策ではなく大きなビジョンを構築し、その方針に国全体の信頼が広がるまでは本来の成長路線に回復するには時間がかかるでしょう。
明るい話は少ないようでありますが、実はこのような経済の低迷期こそ、建築するには最適な時期でもあります。土地の価格は下がり、建設費もかなり安くなっています。また、業界の構造にも変化の兆しが現れています。クライアントには最大限のメリットを提供できるチャンスでもあります。
自分自身はというと、そんな時だからこそ、「仕組み」にこだわっていきたいと思っています。
建築の設計は自由であるようにみえて、実は、建築基準法や、不動産の仕組み、あるいは金融や銀行の仕組みに大きく左右されています。デザインの自由を獲得するために、実は見えないところで様々な「制度」と戦ってきました。今、そういった数々の「制度」に軋みが現れています。旧来の仕組みが揺らいでいるのです。
こういう時代にこそ、「制度」や「仕組み」のイノベーション、つまり革新が可能になると思います。もっと、良い空間、良い建築を設計したい。そのためには、この革新が必要になるのです。
私一人でできることは微々たるものですが、他の志を共有できる人たちと一緒に、すこしずつ前進したいと思っています。
今年の一年の抱負は、「イノベーション」つまり「変革」と位置づけて、将来へ向けて大きく育てるための小さな一歩を踏み出したいと思っています。
(田島則行)