リノベーションという言葉をご存じでしょうか。改修とか改装、リフォームという言葉は昔からありましたが、リノベーションという言葉が定着したのは、この10年ぐらいの話です。
その言葉が普及したのは、「東京リノベーション」という本が2001年に出版されて以来のことのようです。編集を手がけたのが友人の編集者である高木氏ですが、後日談として教えてもらったのは、その「リノベーション」という発想に着目したのは、その当時、東京の港区三田にあった「オープンスタジオNOPE」を見学したことから始まったということでした。
オープンスタジオNOPEは、約2年前に取り壊されてしまいましたが、その当時、私の事務所でもあり、様々なデザイナーを集めたシェアオフィスとして運営しておりました。古い建物、古い空間を改装するのではなく、その古い建物の面白さや良さを生かして、新しい使い方を発想する・・・というような考え方が、リノベーションという言葉の定義になっていると思います。
>>NOPE finale
今、不景気の中、リノベーションという考え方はますます重要になってきています。新築にくらべて多くのメリットがあり、コストを抑えて新しい空間を手に入れることが可能になります。とはいっても、まだまだリノベーションに踏み込めないでいる人たちは多くいます。それはやっぱり、古い建物に対する「不安」を払拭できないからです。
ただ、その不安も、きちっと現地を調査し、対策を練ってあげれば、心配する必要がない場合がほとんどです。建物はそもそも、躯体(コンクリートとか木造の構造部分)と下地と仕上げに分かれています。中古の建物が古くなっている要因は、主に、表に現れてくる仕上げが劣化していることが多く、躯体や下地はまだまだ元気な建物が多くあります。
もちろん、下地や躯体に多少のダメージがあることはあります。ただこれも、適切に対処してあげれば、新品同様に生き返るのであって、ご心配は無用です。
今まで手がけてきたリノベーションにはいくつかのタイプがあります。
・マンションの一戸のリノベーション
・一戸建て住宅のリノベーション
・ビル全体のリノベーション
・オフィスや店舗のリノベーション
・古家再生
ビルの再生も多く手がけてきましたが、最近多いのは、やっぱり一戸建てのリノベーションやマンションのリノベーションでしょうか。
今、古い家やマンションが多く売りに出ています。そして、とても安く手に入るようになっています。たとえば、マンションの場合、都心で新築となれば、相当の値段になります。また、土地を購入して新築を建てるとなれば、さらに高くなるでしょう。
ところが中古マンションの場合は、かなり安くなってきています。また、古家付きの土地も多くあります。たとえば、工場やオフィスとして使っていた古家があれば、スペースも十分にあり、天井高も高かったりします。そして、仕上げを少しだけ変更するだけの改装ではなく、プランや間取りも思い切って変更してあげることによって、リノベーションを行って生まれ変わらせることができます。
事例をいくつかお見せしましょう。
一つめは、専門学校を住宅にリノベーションしたものです。60坪という大きな建物であったにもかかわらず、改装費用は新築住宅を建てるよりもはるかに安くすることができました。また、耐震補強等も行い、広々と安心できる住まいと生まれ変わりました。