今年に入って新たにいくつかの住宅が着工し、寒い中でしたが天気にも恵まれ、地鎮祭が執り行われました。
ご存じのように、地鎮祭は古くから行われてきた祭儀で、奈良時代から行われていたという文献もあるそうです。土地の神様にお祈りし、土地を清め、工事中の安全やその後の家内安全を願うものとして今でも多くの建設現場で行われています。
ひとくちに地鎮祭と言っても、お願いする神社や神主さんによって祭儀の内容はちょっとずつ異なります。
厳かな品格を持った神主さんもいれば、柔らかな声の神主さんもおり、その立ち振る舞いや発声方法、祝詞の文言など細かな部分ではひとつとして、同じものはありません。
足立区の住宅で行われた地鎮祭は、神主さんから地鎮の儀や玉串奉奠の所作について事前に細かく指導がありました。特にメインイベントの地鎮の儀に関しては、「えいっ、えいっ、えいっ」というかけ声の強弱にまで指示があり、いつもの地鎮祭よりも緊張感がありました。
厳かな雰囲気の中で地鎮祭が始まると、まず最初に神主さんが参列者の心身を清め、神様に出会う準備を整えます。そして神主さんが神様をお招きするための文言を述べます。神主さんの「お〜〜〜〜」という一際大きな声は警蹕(けいひつ)と言い、「神様が今まさにやってくるので、心せよ」というかけ声です。
お供え物を神様に奉納した後、工事の安全と敷地・建物の永久の安全を祈願する祝詞奏上(のりとそうじょう)を上げます。紙吹雪で土地を清めたあとは、設計者、施主、施工者が、順に習ったとおりの「えいっ、えいっ、えいっ」というかけ声とともに地鎮の儀を行い、参列者が緊張の面持ちで神様に玉串を捧げると、みな一安心です。神様をお送りし、神様のご加護を祈念しつつ乾杯すると地鎮祭は終了です。
地鎮祭が終わる度に思うことですが、地鎮祭には工事の安全を祈願するという意味の他に、我々設計者にとっては気を引き締めて引き続き頑張ろうという気持ちにさせるものがあります。
また地鎮祭の後には恒例の近隣挨拶に伺いましたが、その神主さんの声の響きのせいでしょうか、近隣の方々とお話をすると、いつものことですが地鎮祭のことをみなさん既にご存知です。地鎮祭というのは「これから工事が始まりますよ」というアナウンスも兼ねているわけですね。
ここ数年、地鎮祭がある日は、前日が雨でも不思議と晴れます。
今回も雲1つない晴天に恵まれました。これからの工事監理も気を引き締めて頑張りたいと思います。(スタッフ:伊澤)