前回地鎮祭をリポートした住宅のプロジェクトが、基礎のコンクリートを打つ前の段階まで工事が進んだため、基礎配筋検査を行ってきました。
基礎配筋検査では、基礎部分の鉄筋が、コンクリートと一体となって上部構造をしっかりと支えることができるように配置されているか、を確認します。
昨今の構造偽装問題等によって、鉄筋コンクリート構造における鉄筋の重要性については、多くの人が知るところとなりましたが、木造住宅基礎の鉄筋の仕様、配筋方法が建築基準法によって明確に規定されたのは、2000年の改正時によるもので、実は結構最近のことです。
それ以前は、鉄筋の量や配置のしかたは設計者の判断に委ねられた部分が多く、設計によって住宅の耐震性に大きな差がありました。これが、阪神大震災をはじめとする何回かの大きな地震を経て、地震時の振動によって基礎が破断し、上部構造に倒壊等の大きな影響を与えるのを防ぐために、細かい基準が決められ本日に至っています。
ところで、そもそもなぜコンクリートに鉄筋が入ることによって、より強い構造体となることができるのでしょうか。
これは、鉄筋とコンクリートが、それぞれの構造的、物性的弱点を互いに補い合うことができる関係にあることによります。
地震時には、その揺れによって、構造体を圧縮する力と引張る力が交互に連続してかかります。コンクリートは圧縮の力に対しては強いのですが、引張りの力には弱く、限界を超えるとすぐに崩壊してしまいます。逆に鉄筋は、そのままだと圧縮されればすぐに折れてしまいますが、引張りの力に対しては強く、限界耐力をこえた後もすぐには崩壊せず、のびることで崩壊を遅らせます。(これをじん性といいます)
この他にも、鉄筋とコンクリートは以下のような点で、お互いの弱点を補い合っています。
鉄筋
・強度・剛性が高い
・ 大気に触れることで錆びる
・ 熱に弱い
コンクリート
・強度・剛性は鋼材に劣る
・鉄筋周囲に不動態膜をつくり錆びにくくさせる
・熱を伝えにくい
まさに理想的な組み合わせといえますが、この相互補完の関係をつくるには、コンクリートの量が多すぎても、鉄筋が入りすぎていてもよくありません。
鉄筋の径や配置間隔がきちんと守られているか。鉄筋の継ぎ目が弱くならないよう、規定の重ね長さがとられているか。鉄筋を錆びから保護できるコンクリートのかぶり厚さがとれているか。 構造の欠損になる配管の穴廻りは鉄筋で補強されているか。等々。。
これらの条件がすべて満たされることにより、はじめて性能が発揮され、地震に耐えることのできるしっかりとした基礎を作ることができるのです。
基礎配筋検査は、これをきちんとやっておかないと、いくら上部構造をしっかりつくっても全く意味のないものになってしまう、非常に重要な検査です。
検査にはプロジェクト担当以外のスタッフも参加し、確認内容が漏れなくチェックできる体勢をとって臨みます。
今回も、現場でひとつひとつ細かく確認し、修正を求めるところを伝え、その部分について後日きちんと直されているかを確認した上で、コンクリート打設を指示しました。(スタッフ:神津)