TOP > ブログ&コラムtop > 住宅建築
テレデザインにおける様々な活動や思索や情報を、この BLOG のコーナーにおいて紹介します。近況報告や、プロジェクトリポート、あるいはテーマ別のトピックなど、 気軽に読んで頂ければ幸いです。

HPデザインのリニューアルおよびブログのAmeba移行のお知らせ

2010年4月 22日

このたび、HPデザインのリニューアルを行いました。主に使いやすさと見やすさを改良しています。バグやリンクチェックなども行っていますが、何か問題にお気づきの場合は、お知らせいただくと助かります。
また、プロジェクト・リポートをのぞくブログについては、全面的にAmebaに移行しました。「田島則行の建築日記」およびに「テレデザイン・ブログ」の二つに分けて移行されています。こちらもご覧頂ければと思います。

>>田島則行の建築日記
>>テレデザイン・ブログ

ローコスト住宅はいくらでできるのか?

2009年11月21日


建設コストは、資材流通の経路および人件費のカウントの仕方が複雑であり、読み解くのがとても困難な領域です。見積書の厚さは数十ページ以上にもなり、そこからコストダウンを有効に行うには、経験と知識が必要とされており、価格設定のメカニズムを十二分に把握しておくことが重要になります。

建築家の設計する住宅は、高くつく・・・という風に先入観を持っていらっしゃる方が多くいます。たしかに、自由に設計をして、豪華な造作家具や仕上げ材を使えば、高級で高額な住宅になります。

じゃあ、安くできる建売住宅が良いか?といえば、それでは納得がいかないでしょう。空間的な工夫もなく、安っぽい仕上げ材でつくれば、それだけ安くできますが、そのような安易な設計を行えば、誰が設計したとしても安くはなりますが、住みやすくて愛すべき住宅にはなりません。
建売住宅であれば、1500万円ぐらいで30坪のものもあるようですが、安くするためにかなり無理をした作り方になっていますから、住まい手に安全と安心を届ける責任ある立場としては、安かろう悪かろうの建築は設計するつもりはありません。

一般に、自由設計でローコスト住宅と呼ばれるものは、おそらく建築工事費としては1700万円〜2200万円ぐらいのものになるでしょうか。
設計料込みで、建築の総予算が2000万円〜2500万円ぐらいになるかと思います。もちろん、敷地の地盤が悪かったりすると地盤改良費や杭工事費がプラスアルファされます。

したがって物件ごとに諸条件も違うので、そのコストは大きく異なりますが、いくらぐらいでどのくらいのモノができるのか、はなかなか一般の方には理解しずらいものはあるかと思います。

Alley House の工事費は約2000万円弱になります。現場の接道状況が悪く、資材搬入が困難だったため、広さの割には割高になっていますが、地盤改良費も含めていますので、かなり頑張って抑えた金額になっています。



アプローチから

内観
>>Alley House


一方、Raum Houseは、工事費は2200万円になります。坪単価でいうと、約66万円です。こちらは敷地の接道状況も良く、高低差のあるスキップフロアの難易度の高い空間ですが、リーズナブルに抑えることができました。



外観

内観
>>Raum House


現在進行中のプロジェクト(T邸)は、木造3階建てであるにもかかわらず、
30坪の広さで約1600万円の工事費になります。坪単価でいうと、約55万円ぐらいになります。これはローコストにするための諸条件が揃っていたことと、お施主さんのコストへのご理解が高かったことから、実現できました。



T邸
spacer

ローコストで安く抑えるコツは様々ですが、空間の面白さを犠牲にせずに、いかにコストダウンを図るかが鍵になります。吹き抜け等をとりますと、空間の容積は大きくなり、工事費が大きくなります。それを建具や間仕切りをへらして大きく空間を確保し、壁工事の量を減らしたり、外壁の性能は確保しつつ廉価な外装材を使用したり、あるいは造作家具工事を減らしたりして、コストを調整していくことになります。

家は一生住むものですから、建設時にすべてを揃えてしまいたくなるのが人情です。でも、逆に言えば収納の考え方や造作家具、そして設備のグレード等に関しては、まずはベーシックに考えて、住みながら改良を加えていく方が、無理をして高額な住宅ローンを組むよりは、安心して住まうことができるのではないでしょうか。
(田島則行)

設計の一大イベント「竣工・引渡」

2009年7月 7日

アルミの特性を活かしたルーバー

毎日のように雨が降って、じめじめとした日々が続きます。

先月から今月にかけては、東京や神奈川に進行中の物件の現場監理に出かけ、配筋検査や仕上げ検査など行いつつ、2つほど物件が竣工・引渡。その合間に富山県の高岡まで出張にも行きました。

また、同時に3つほど新しい物件が開始、他にも新規案件の現場調査に出かけつつ進行中物件の確認申請も提出。かなり仕事に忙殺されておりました。

「竣工・引渡」は、設計にとって、着工と同じぐらいあるいはそれ以上に一大イベントです。手塩にかけて監理してきた物件を、晴れて施主に引き渡すわけですから、ある意味、とても嬉しいと同時に自分の子供が巣立っていくような気持ちになります。

先月頭に大田区で竣工した物件では、竣工引渡の直前になんと奥様の出産が重なってしまい、僕らよりもむしろ施主が大変でした。
奥さんが出産後数週間の間実家で子育てに専念中、旦那さんは竣工検査や登記、引渡、そして引越を全部一人でこなし、こちらが心配してしまうほどでした。

引越も落ち着き、先日引越し後の家にランチに招待されてお伺いしてきました。
出産後母子ともに健やかで、荷物の片付けも終わり、幸せで静かな日々が始まった様子で安心しました。

近隣が密集した住宅街に建つ家ですが、外側は壁で周囲からは閉じつつ、内側にはコートヤードを通して光がいっぱいに注ぎ込みます。
近隣の目も気にせず、カーテンもブラインドもつけず、プライバシーに守られた暮らしです。

「別荘にいるような」とか、「夜が素敵です」とか、率直な感想を頂くと、悩んで悩んで頑張って設計した苦労も報われ、感無量です。

先週末には、改装・リノベーションした別の住宅を引渡ました。
たぶん昨日には引越をなさっているはずです。どんな引越後の感想を聞かせてもらえるのか、ドキドキしながら楽しみにしています。

独立してからしばらくは、設計という仕事を勢いとバイタリティでこなしていましたが、最近は住宅の設計は繊細で難しいが重要な仕事だとしみじみ再認識しています。

家族という人と人を繋ぐ見えない糸を、我々は設計という仕事を通して「空間」を形にし、その家族のライフスタイルや今後の生き方を左右してしまうような、重要な役割を担っていると思うからです。

人生の一大イベントである住宅建築に携わる者として、これまで以上に一つ一つ丁寧に作っていきたいと思います。(田島則行)

一戸建ての住宅を建てる難しさ
 土地探し、資金計画、そして住宅ローン

2009年4月14日

200904jyutaku.jpg

住宅ローン減税が大幅に拡充されることも決まり、着工住宅建築数が増えると思いきや、業界の話を統合すると、多くの人が建築を考えてはいるものの、まだ、足踏み状態のようです。

まず、第一に、分譲マンションの値段がガタ落ちで、資産価値として信頼できなくなってしまったことが大きな理由の一つだと思います。

あるいは選択肢としては、新築でありながら、転売されて安く手に入れられる分譲マンションがかなり大きく出回っているようです。でも、これを購入するのはちょっと不安ですよね。

あるいは建売住宅を購入するという手もありますが、建売系の会社も、マンションディベロッパーと一緒で、多くが倒産したり縮小したりしており、これもなかなか信頼がおけません。

そこで、一戸建ての注文住宅への問い合わせが増えていますが、色々と専門的な知識が必要なだけにハードルが高いようです。

分譲マンションや建売住宅のばあいは、購入するものがすでにできあがっているケースが多いですし、住宅ローンの手続なども申込書に書き込んで押印するだけで、購入手続が済んでしまったりします。

ところが、一戸建ての注文住宅の場合は、土地探しから始まって、住宅ローン、そして設計者の選定などなど、かなり煩雑な手続を経てやっと完成します。予算にしても、土地によっても建築可能な面積が異なりますし、建築の工法(木造、鉄骨造、RC造)によっても建設コストが違いますので、色々と悩む事が多くあります。

希望の思い通りの住宅を手に入れるには、まず、土地探し、資金計画、そして建築条件のチェックが不可欠です。我々を含めて、専門家をうまく利用してもらって進めるのが鍵になると思います。(田島則行)

期待と不安の中で進行する工事現場
 大きくなったり、小さくなったり・・・?!

2008年12月24日


200812genba01.jpg200812genba02.jpg
200812genba03.jpg200812genba04.jpg

この年末も完成竣工にむけて工事が進んでいます。
茅ヶ崎にある住宅では、今、外装工事はほぼ完成し、内装工事の真っ最中です。

クライアントにとっては、自分の住宅ができあがっていく様子は不安と期待が入り交じるプロセスです。

設計する中で平面図や断面図やら、あるいは模型を見て把握はしているはずだけど、でもやっぱり1分の1のスケールで立ち上がっていく本物の工事は、まったく別物になります。

面白いのは、その時々で広く見えたり、狭く見えたり、不安になったり、安心したり、揺れ動きながら工事が進行していくことでしょうか。

工事の最初に、「縄張り」という工程では、地面に糸を張って建物の位置を確認します。このときは、なぜかとっても小さく見えます。それもそのはず、なんにもないガランとした敷地に浮かび上がる建物の輪郭は、周りの住宅街のスケールの中では、なんと小さな建物なのかと思ってしまいます。

「建て方」という構造が立ち上がる時になると、突如として大きく立派な建物の立体の輪郭が姿を現します。「おおお~、思ったよりも立派だなぁ・・・・」と胸を撫で下ろします。

そして足場がかけられ、外からは建物の様子が見えなくなると、今度は屋根や外壁工事を行いつつ、内装工事も進みます。建設資材やら工事道具やらごった返す現場をみると、あれ、なんだか思ったよりも狭いなぁと、がっかりしてしまいます。

ところが、竣工間際になり、足場も外され、外観が姿を現すと、なんともシャープで凛々しい姿が露わになります。そして内装も養生が外され、綺麗にクリーニングされると、広々とした空間が目の前に現実になります。

空間のスケール感は相対的であり、周りの状況に合わせて伸縮します。
実はそういったスケール感の操作こそが、空間デザインにおいて腐心する重要なポイントです。
ただの野原は広いけれども広さを感じません。一方「茶室」は小さいけれども、空間に入れば無限の広さを感じます。つまり小宇宙であり、スケール操作がされた空間の典型です。

相対的なスケール感の面白さを、建設過程では期せずして体験できるというわけです。

新年早々には、また三つほど新しいプロジェクトが着工します。そんな心の揺れ動きを愉しんでもらいたいと思います。(田島則行)

住宅建築の予算(後編)
ハウスメーカーや建売住宅との違い

2008年10月22日

200810yosan2.jpg


「住宅建築の予算」(10月10日)の後編です。

一般の方が、ハウスメーカーや建売(あるいは売建)会社に話を聞けば聞くほど、わからなくなってしまうのも無理はありません。住宅業界の仕組みは、一見簡単なように見えて実はとても複雑です。

あえて簡単に言うならば、ハウスメーカーであれ建売(あるいは売建)会社であれ、建築家が設計するものであれ、すべての住宅は本来「特注の注文住宅」なのです。すなわち、すべての図面が引き終わらなければ正確な見積もりは弾けないのです。

敷地の条件は土地ごとに違いますし、要望や間取りも家族構成によって違います。

従って、最低でも10ページ~20ページぐらいの図面が完成しない時点で、もしもハウスメーカーや建売(あるいは売建)会社が見積もりを提示するときは、プランや仕様にある一定のルールや制限を取り決めしておくことによって、値段を「仮定」できるようにしてあります。

そんなわけで、彼らは図面を1~2枚書くだけで見積書を提示できたりするのです。

たとえば工法や材料、あるいは仕入れルート、メーカー等々、あらかじめ取り決めしておくことによって、できるだけ安く仕入れ、典型的なプランパターンに当てはめることによって設計費用を安価で外注し、(そこに明記はしていませんが)宣伝費用や営業費用を加えた見積が出来上がります。

そんな状況で、もし住宅の建築を予定されている方が建築家の設計した住宅をイメージしながら色々な要望を追加すると、あらかじめ「仮定」した想定プランや仕様には合致せず、要望を出せば出すほど外注の設計料も上積みされ、一生懸命動いてくれた営業マンの営業費用も上乗せされてしまいます。結果として、ハウスメーカーや建設会社に特注住宅を依頼すると、我々が設計を行うよりも高い見積がでてきてしまったりするわけです。

建築家の設計する住宅は、すべてが特注の注文住宅です。要望を伺いながら設計図面をまとめ、途中には概算見積もりをとったりしながら、予算に合わせて図面を仕上げます。そしてその詳細な図面(ハウスメーカーや建売(あるいは売建)会社が書く図面よりも3倍ぐらいの密度と枚数)をもとに、正確な見積もりを建設会社に依頼し、建設会社も図面を詳細に拾い上げて見積もりをまとめ、希望どおりのプランが予算内におさまるように調整します。

もちろん、すべての要望を満たすことができないことは、多々あります。ものには値段があります。柱一本でも値段があり、ドア一枚でも値段があります。また、相場によっても建設費は変動しますから、そういった一つ一つの仕様を確認しながら、最大限、要望に近いものを作り上げるのが、我々の仕事になります。

結果としては、ハウスメーカーや建売(あるいは売建)会社のいわゆる標準仕様よりは、建築家住宅は高いものになりますが、彼らに特注品を依頼するよりは、我々のものの方が安くつくことが多いのです。

たとえば、ハウスメーカーに依頼すると、吹き抜けのある大きなリビングルームやら屋上テラスや坪庭のある浴室などは、なかなか実現できません。モデルルームでそういったものがあったとしても、実際に依頼してみると「オプション設定」だったりします。特別な要望がなければ、 ハウスメーカーの標準仕様で十分だと思いますが、独自のデザインで自分にあったライフスタイルの住宅を求めているのであれば、建築家と二人三脚で作り上げていくのは、大きな喜びとなるとでしょう。

こんな短い説明では把握しきれないかもしれませんが、業界をめぐるお金の仕組みを理解してもらえれば、前述の相談にいらした二組の方々 も、あらかじめ希望にあった進め方・会社を選択し、悩みは少なくてすんだと思います。(田島則行)

住宅建築の予算(前編)
ハウスメーカーや建売住宅との違い

2008年10月10日

200810yosan.jpg


最近、二組の戸建て住宅の建築を予定している方から、相談を受けました。偶然ですがどちらもまったく同じことで悩んでいました。
建築予算のことです。それは単純に予算が足りるとか足りないとか、そういう話ではなく、自分のほしいものが自分の予算で可能かどうか、とても不安に思っているらしいのです。

でもそれだけだったら、だれでも悩むようなことであり、試算すればすぐにでも解決する問題なのですが。ところが、その二組の方々の不安は尋常じゃありません。僕に話しを聞きに来たにもかかわらず、僕のところに来るまでに、いろいろな人たちに話を聞いて、聞けば聞くほど耳年増になってしまい、不安が解消されなくなってしまったようです。

実は、このパターンはよくあることなので、建築・建設・不動産業界の人たちであれば、「ああ、あのパターンね・・」とわかってしまうのですが、でもでも、一般の人たちからすれば、そんな業界の常識も知るよしもなし、この「パターン」に陥ってしまうのも、無理はありません。

話の骨子はこういった感じです:
まずはハウスメーカーや建売(あるいは売建)会社と話をした。そして建築家の設計した家をイメージしながら、いろいろな要望を伝えた。相手の営業の人は受け答えもよく、すぐに会社に持ち帰って図面を書いてくれますが、何回要望を伝えても、自分の望む図面が出てこない。最終的には、要望の多さもあって、自分の予算をはるかに超えた見積書を持ってきた。自分の要望するような空間は、この予算で実現するのでしょうか?

こういった話は、専門家なら何が問題かよくわかりますが、いくつもの落とし穴があります。業界の構造がわかっていれば、明快なのですが、ハウスメーカーや建売(あるいは売建)会社の方も仕事を取りたい一心で一生懸命対応しますから、その仕組みの違いを説明するのではなく自分の会社のよいところをアピールして、自分のところで要望に答えられるようにがんばってしまったりもするのです。

でもその結果が、中途半端なデザインもどき住宅に、予算オーバーの見積もり。
当然、クライアントは悩んでしまいます。

この悩みに突入してしまうと、疑心暗鬼になってしまうようで、なかなか暗雲が晴れません。たとえばこんなタイミングで建築家がすぐに「希望の家を予算どおりに作れます!」と言っても、それでは「本当ですかぁ?(疑心暗鬼)」となってしまいます。そう言いたくなるお気持ちは察します。業界構造が複雑すぎますよね。
詳しくは後編で・・つづく。(田島則行)

脱 nLDKの住宅
家族の繋がりとライフスタイル

2008年9月29日

200809nldk.jpg


住宅を設計するときに、僕たちはまず、家族の関係やライフスタイルについて話し合います。

個室の数やnLDKというプランの形式の話ではなく、間取りの話でもなく、まずは家族でありライフスタイルです。どんな風に家族とともに暮らしたいのか、お父さんの趣味、お母さんの趣味、家族の距離感、そして将来の展望・・・。変化する家族像を語り合いながら、徐々に住宅のプランを確定していくのです。

たとえば、不動産情報などでみるような「nLDK」という呼び方・指標は、我々はとても危険なものだと思っています。高度成長期に使われるようになったこの指標は、n=個室の数、L=リビング、D=ダイニング、K=キッチン、という単純化された記号にプラン形式を当てはめたものになります。

何が危険かと言いますと、家族関係を壊すような力があると思うのです。

この指標に従った典型的なプランは、玄関にはいると廊下や階段があり、そこから個室やLDKにアクセスするような間取りになっています。この形式は、高度成長期以前の日本住宅にはみられらないものでした。

昔の日本の大家族の住宅は襖で和室が仕切られていますが、個室は用意されておらず、すべての部屋は様々な用途に使えるようになっていました。たしかにこの昔ながらの日本家屋が時代遅れになったのもありますが、nLDKの登場によって個室が用意されるようになり、「個」の空間が誕生したのです。

個室が広くて十二分であればあるほど、子供は個室に籠もるようになり、そこにテレビやコンピュータをおけば、人間的なふれあいのないところで社会との距離感やバランスを取るのが苦手な子供が育ちます。また、個室を出たらそのまま誰にも会わないで廊下や階段を通って玄関から外出できてしまうようなプランは、親や家族との繋がりを希薄にしてしまいます。

こういった懸念から、我々の住宅には通路としての廊下は極力設けないようにしています。リビングやダイニングといった家族の集まる場を作り出し、そこを経由して各個室にアクセスするようにすると、とりあえず、毎日「おはよう」、「ただいま」と声を掛け合える家族関係が自然にはぐくまれると思うのです。また、子供部屋はあまり広くしすぎないことも、重要かもしれません。(田島則行)

家族関係を豊かにする空間

2008年5月 2日
200804family.jpg
Sliding House

ハウスメーカーやマンションディベロッパーが作る空間は、家族の関係を壊す力があると思います。
玄関を入って親の顔を見ないでも個室に直接行けてしまうような家は、子供と親の関係をよそよそしくします。個の空間を重視するあまりに、家族という共同体の繋がりが弱くなってしまいました。

じゃあ、昔みたいな和式の家で全部が全部、襖でつながった空間に今の人々が住めるのか・・・という問題もあります。だから、動線の工夫と「気配」が伝わる空間がとても大事だと思います。

吹き抜けとか、階段のデザインというのは、見かけ倒しのデザインではありません。
家のいろいろなところから階段がよく見えるということは・・・、階段を行き来すると、家が見渡せる・・・・、つまり、家族の気配が感じやすくする、とっても大事なファクターなのです。

子供にちょっと声をかけたり、あるいは子供からも親の様子がよく見える。そうすることによって、心の安心感、健全な家族関係が育みやすくなると思います。(田島)