テレデザインにおける様々な活動や思索や情報を、この BLOG のコーナーにおいて紹介します。近況報告や、プロジェクトリポート、あるいはテーマ別のトピックなど、 気軽に読んで頂ければ幸いです。

W邸リノベーション:引渡し

2009年12月26日

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W邸のリノベーション工事が完了し、引渡しを行いました。
元工場だった鉄骨2階建ての建物が、広くて明るい住宅に生まれかわりました。
工場ならではの広い階段、高い天井など、新築にはないスケールのずれが開放感を生み、リノベーションにしかできない価値を与えています。

エコロジーTIPS
電気自動車と建築

2009年12月15日

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今年6月に発売された電気自動車iMiev

昨年の原油高の影響や地球環境の保護という観点から、電気自動車やハイブリッドカーといったエコカーへの注目が全世界的に集まっています。日本では現在のところプリウス、インサイトに代表されるハイブリッドカーが、電気自動車を一歩も二歩もリードしていますが、今年は三菱自動車、富士重工が電気自動車を発売するなど、いよいよ電気自動車の時代が始まりつつあります。

電気自動車は走行時にCO2を排出しないため、従来の自動車に比較すればエコロジーなツールであることは間違いありません。しかし忘れがちなことですが、そのエネルギーとなる電気は必ずしもエコなものではありません。日本の場合、発電電力量の凡そ6割は火力発電によるもので、火力発電は原子力や水力等の発電手段に比べると、CO2排出量が非常に大きい発電手段です。電気自動車単体で捉えれば確かに環境負荷は低いものでしょうが、全体的な視野で捉えると部分的なエコロジーでしかないと言えます。

今後、電気自動車が本格的に普及するためにはいくつかクリアしなければならない課題があり、特に技術的な中心となる充電池には製造コスト、容量などが改善すべき点として挙げられます。メーカーもニッケルやリチウムイオンなど各種充電池の開発に力を入れており、近い将来には大きな発展が期待されます。

充電池の発展は電気自動車だけでなく、エコロジー建築の分野でも大きな可能性を秘めています。

太陽光発電はエコロジー建築の代表的な技術で、補助金制度が復活したこともあり、最近では住宅への設置を検討する方も増えてきています。太陽光発電の問題は夜間や雨天時に発電ができないことであり、その間は別の手段で電力を供給しなければなりません。

しかし充電池が太陽発電に組み込めるようになると話は変わります。使用量以上の余剰電力を充電池へ充電し、夜間・雨天時の電源とすることができますし、さらに充電池から電気自動車へ充電することが出来れば、まさしく自宅がクリーンな発電所であるのと同じ事になります。充電池という技術をコアに太陽光発電と電気自動車を組み合わせることで、CO2を殆ど排出しないエコロジーな環境が実現できるわけです。

新しい時代の乗り物として注目される電気自動車とその背景で進む技術革新ですが、中でも充電池に関するニュースには今後も目が離せません。


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電気自動車用のリチウムイオンバッテリー

狭小敷地での設計
採光を確保するための創意工夫

2009年12月14日


大都市では、住宅用の宅地は細分化される傾向にあります。もともとは大きな邸宅の建っていた土地を分筆して、個人でも買える値段に設定し住宅用地として切り売りするので、土地の広さは15坪〜20坪程度になることが一般的です。

昔の日本の住宅は、土地に余裕があり周りに庭を配することによって採光を確保していましたが、昨今の密集した住宅街での狭小地では、周りの建物が迫っているため採光の確保は至難の業になります。したがって、狭小住宅の設計のコツは、まさに採光との戦いです。

ただ単に外周部に窓をあければ良いというものでもありません。構造的な工夫をしなければ、開口部の大きさも制限されてしまいますし、三階建てになれば、構造的には下層階の耐力負荷もとても大きく、家族のニーズからくるプランニング、環境や太陽の方位に左右される採光計画、そして地震や風圧に対応するための構造設計と、それぞれ全く別の論理で要求される事項が、相互の関連に矛盾がないよう十二分に練り込んだ上で、シンプルな解決策にいたらなければ、デザイン的にも、空間的にも、機能的にも満足なものになりません。

ケーススタディとして、Lightwell Houseがあります。敷地は2mほどの細い路地を通って突き当たりあたる場所にあり、周りは迫り来る建物に囲まれ、さらには背面は5〜6mの擁壁が立ちはだかり、通常の建て方では採光を確保することは、至難の業でした。

そこで何度も何度もスタディを繰り返し、たどり着いた解決方法としては、天空からの光を最大限利用するために、3階部分を南北に分けて個室を配し、真ん中に配置されたテラスと吹き抜けが、天空光を下階へと届かせるための「採光のための空間」として確保するアイディアです。

トップライトから降り注ぐ光が2階の広々としたリビングやキッチンを明るくしてくれます。また、玄関から見上げれば、そのトップライトからの光が視線を奥へと導いてくれます。


トップライト見上げ

これを実現するために、実は構造的に創意工夫をほどこしています。
2階のリビング・ダイニング・キッチンには、一切間仕切り壁がありません。通常の方法ではこれはなかなか難しいのですが、外周の壁に強い耐力を持たせることによって、これを実現しています。

Lightwellとは光の井戸という意味です。夏の強い光には電動ブラインドで対処しつつ、春や秋、そして冬には燦々と上から光が降り注ぐ空間は、非常に気持ちの良いものとなりました。
(田島則行)

>>Lightwell House

S邸新築工事:上棟

2009年12月12日

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上棟を迎えました。

朝早くから作業を初め、屋根の上り梁を掛けた頃には日が暮れていましたが、無事工事を終えられました。

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