テレデザインにおける様々な活動や思索や情報を、この BLOG のコーナーにおいて紹介します。近況報告や、プロジェクトリポート、あるいはテーマ別のトピックなど、 気軽に読んで頂ければ幸いです。

2008年を振り返って
 100年に一度の変革期

2008年12月26日

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2008年の初日の出(葛西臨海公園より)

年末・師走はやっぱりなんだかんだと、忙しいですね。

最近、人と会うたびに、「ブログを読んでいますよ!」と声をかけてもらうことが多くなりました。雑誌や本は書いたことがあるけれど、ブログというメディアは思ったよりも難しい・・・。試行錯誤しながら書いています。
でも、面白いのは、書くことによって自分の立ち位置や考えが明確になっていくので、やはり考えを「書く」というのは、自分の創作活動にとっても、とても大事な事だと思います。

さて、このところ他の建築家やら様々な人たちと会って飲みながら話しました。

どこでも同じでしょうけども、話題になるのは今の経済状況のこと。そして、次にディベロッパーや建設会社の倒産の話です。知り合いの方々で、その荒波をもろに被ってしまった人たちも多く、心配は絶えません。

とはいっても、我々はこの不況を乗り越えなければなりませんから、酒宴は2009年の展望を探り合うような展開になります。

さて、困ったことにここで話題が途切れます。

2009年の展望が見えないのです。麻生総理や自民党政治は迷走しているし、アメリカの経済はもっと酷いことになりそうだ。あるいは、中国の回復の方が早そうだけど、1年ぐらいは停滞するかなぁ・・・とか。思わず暗くなりますね。

でも、不思議なことに、色々な人と話すたびに、僕はなんだか元気になってきました。

みんなそれぞれ、自分の分野で自分の方法論で戦ってきた人たちですから、そのエネルギーをもらえたし、また、よくよく考えれば、リーマンが破綻した9月10月ごろの世の中に蔓延した、原因を掴めない底なしの不安感に比べれば、今はだいぶ原因の解明も進んで、なにが問題だったのかははっきりしてきました。だから、それに対してどう対処したらいいのかが、少しずつ見えてきているように思います。

2008年は本当に激動の1年でした。それは、世の中が大きく変化するための準備期に入ったのだと思います。そして、この100年に一度の変革期を乗り越えて、我々はこれからの自分たちの進む道を模索しながらも、力強くかつ辛抱強く進んでいきたいと思います。

幸い、こんな不況の中でも、今月も新しい仕事がいくつか成約しましたし、問い合わせてくださる方々もいらっしゃいます。また、年末に飲んだ仲間達とも新しい展開をしようとコラボレーションの話も進めていこうと思います。

今年の業務は26日までですが、一週間の休みで鋭気を養い、2009年に備えたいと思います。皆様、良いお年を!(田島則行)

期待と不安の中で進行する工事現場
 大きくなったり、小さくなったり・・・?!

2008年12月24日


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この年末も完成竣工にむけて工事が進んでいます。
茅ヶ崎にある住宅では、今、外装工事はほぼ完成し、内装工事の真っ最中です。

クライアントにとっては、自分の住宅ができあがっていく様子は不安と期待が入り交じるプロセスです。

設計する中で平面図や断面図やら、あるいは模型を見て把握はしているはずだけど、でもやっぱり1分の1のスケールで立ち上がっていく本物の工事は、まったく別物になります。

面白いのは、その時々で広く見えたり、狭く見えたり、不安になったり、安心したり、揺れ動きながら工事が進行していくことでしょうか。

工事の最初に、「縄張り」という工程では、地面に糸を張って建物の位置を確認します。このときは、なぜかとっても小さく見えます。それもそのはず、なんにもないガランとした敷地に浮かび上がる建物の輪郭は、周りの住宅街のスケールの中では、なんと小さな建物なのかと思ってしまいます。

「建て方」という構造が立ち上がる時になると、突如として大きく立派な建物の立体の輪郭が姿を現します。「おおお~、思ったよりも立派だなぁ・・・・」と胸を撫で下ろします。

そして足場がかけられ、外からは建物の様子が見えなくなると、今度は屋根や外壁工事を行いつつ、内装工事も進みます。建設資材やら工事道具やらごった返す現場をみると、あれ、なんだか思ったよりも狭いなぁと、がっかりしてしまいます。

ところが、竣工間際になり、足場も外され、外観が姿を現すと、なんともシャープで凛々しい姿が露わになります。そして内装も養生が外され、綺麗にクリーニングされると、広々とした空間が目の前に現実になります。

空間のスケール感は相対的であり、周りの状況に合わせて伸縮します。
実はそういったスケール感の操作こそが、空間デザインにおいて腐心する重要なポイントです。
ただの野原は広いけれども広さを感じません。一方「茶室」は小さいけれども、空間に入れば無限の広さを感じます。つまり小宇宙であり、スケール操作がされた空間の典型です。

相対的なスケール感の面白さを、建設過程では期せずして体験できるというわけです。

新年早々には、また三つほど新しいプロジェクトが着工します。そんな心の揺れ動きを愉しんでもらいたいと思います。(田島則行)

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