テレデザインにおける様々な活動や思索や情報を、この BLOG のコーナーにおいて紹介します。近況報告や、プロジェクトリポート、あるいはテーマ別のトピックなど、 気軽に読んで頂ければ幸いです。

脱 nLDKの住宅
家族の繋がりとライフスタイル

2008年9月29日

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住宅を設計するときに、僕たちはまず、家族の関係やライフスタイルについて話し合います。

個室の数やnLDKというプランの形式の話ではなく、間取りの話でもなく、まずは家族でありライフスタイルです。どんな風に家族とともに暮らしたいのか、お父さんの趣味、お母さんの趣味、家族の距離感、そして将来の展望・・・。変化する家族像を語り合いながら、徐々に住宅のプランを確定していくのです。

たとえば、不動産情報などでみるような「nLDK」という呼び方・指標は、我々はとても危険なものだと思っています。高度成長期に使われるようになったこの指標は、n=個室の数、L=リビング、D=ダイニング、K=キッチン、という単純化された記号にプラン形式を当てはめたものになります。

何が危険かと言いますと、家族関係を壊すような力があると思うのです。

この指標に従った典型的なプランは、玄関にはいると廊下や階段があり、そこから個室やLDKにアクセスするような間取りになっています。この形式は、高度成長期以前の日本住宅にはみられらないものでした。

昔の日本の大家族の住宅は襖で和室が仕切られていますが、個室は用意されておらず、すべての部屋は様々な用途に使えるようになっていました。たしかにこの昔ながらの日本家屋が時代遅れになったのもありますが、nLDKの登場によって個室が用意されるようになり、「個」の空間が誕生したのです。

個室が広くて十二分であればあるほど、子供は個室に籠もるようになり、そこにテレビやコンピュータをおけば、人間的なふれあいのないところで社会との距離感やバランスを取るのが苦手な子供が育ちます。また、個室を出たらそのまま誰にも会わないで廊下や階段を通って玄関から外出できてしまうようなプランは、親や家族との繋がりを希薄にしてしまいます。

こういった懸念から、我々の住宅には通路としての廊下は極力設けないようにしています。リビングやダイニングといった家族の集まる場を作り出し、そこを経由して各個室にアクセスするようにすると、とりあえず、毎日「おはよう」、「ただいま」と声を掛け合える家族関係が自然にはぐくまれると思うのです。また、子供部屋はあまり広くしすぎないことも、重要かもしれません。(田島則行)

経済不況と日本の将来|
不動産ファンドバブルの崩壊

2008年9月29日
ついにリーマンブラザーズも破綻しました。アメリカ経済は急激に悪化しているように見受けられます。日本でも大きな影響がでています。サブプライム不況やら建築基準法の法改正不況やら、あるいは最近の不動産不況など、様々な問題が目白押しです。はたまた年金問題やら、世界大恐慌の気配まで感じられます。

残念なことに、都市デザインシステム、そしてリプラスが破産しました。幸い、今は彼らと進めているプロジェクトもなく、我々には何ら直接的な悪影響はありません。

とはいえ、都市デザインシステムの梶原さんとは、同じ年でもあり、クラスカを立ち上げる前に、その方向性について話し合ったこともありました。また、神田の街づくりのために講演に協力していただいたこともありました。

リプラスに至っては、彼らが創業した6年前からいくつかプロジェクトを一緒にやりました。リプラスが創業時はたった5人の会社で、30代になったばかりの姜さんが不安そうな表情で相談に来られたことが懐かしく思い出されます。その後の活躍は皆さんご存じの通りですが、それぞれ、今後の活躍を期待していただけに、たいへん残念な結果です。

一方で、急激に下落しつつある不動産をあらたに買い出した新手の不動産投資家も現れ始め、我々のところにも、デザインの企画や計画提案などの依頼も入ってきています。

今、都市や建築、そして不動産を巡る経済状況は、めまぐるしくかつ大きく変化しようとしています。今までのメインプレーヤーが主役の座を追われ、そして新しいプレーヤーが登場するのでしょう。ある意味、過去2年間の不動産の高騰は、過剰な高騰であり、「バブル」であったと言わざるを得ません。

極端なキャピタルゲイン狙いの「投機」は形を潜め、今後は堅実なインカムゲインによる不動産開発に比重が置かれるでしょうから、ある意味、正常に戻ったともいえるのかもしれません。

ただ、今回のこの不況はアメリカ経済や中国経済の動向にも大きく影響されるだけに、今後の動きが読み切れません。今後も慎重に経済状況を見極める必要があります。(田島則行)

iPhone とApple のデザイン

2008年9月 3日

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ずっと我慢をしていましたが、ついに、iPhoneを買ってしまいました。

表参道での発売時の行列を横目に、発売当初はいろいろバグや問題も多いだろうから半年か1年ぐらいは待とうかな・・・と構えていたのですが、出雲で山代さんに見せられてから、ついに我慢できなくなり、東京に戻ってから近くのソフトバンクに電話すると・・・「在庫ありますよぉ」と悪魔のささやき。で、買ってしまいました・・・。

そんなこんなで、半月ばかり使っていますが、iPhoneは想像以上に最高です☆(細かい問題はさておき・・)

実は、普段の仕事でも、ずっとアップル・コンピュータを使っています。
特に、スティーブ・ジョブスがアップルに戻ってきてから、インターフェースとデザインとコンセプトが統合されて、アップルは昔に比べて、ずいぶんと良くなったなぁと、僕も同じデザインをする身として感心していました。

とにかく、デザインがシンプルでスイッチが少なく、そのシンプルさが単純でわかりやすいことが使いやすさにつながっている。また、いろいろな場面やシーンでの空間とのマッチングがとても良いこと、だからそれは、いろいろな個性やファッションとの相乗効果でライフスタイルを喚起すると思うのです。

で、iPhone を使ってみて・・・、どうかって?
うん。これって、やっぱりただの携帯電話とは違う・・・。
考え方としてはiPodと同じなんですが、それがさらに進化しているというか・・・。
うーん。説明が難しい。

自分の使っているコンピュータと完全シンクロして、小さいiPhoneに詰め込んで、それを持ち歩ける・・・、つまりモバイル・ビューアーだと思うのです。でも、今までのPDAや携帯電話とかと違って、さすがだなぁと思うのは、iPod的な割り切りがされていて、データを加工したりいじったりするのは、コンピュータの上で行って、iPhoneの上では、主に見たり聞いたり、簡単な操作をしたりできる程度・・・ってことなんですよね。

僕のコンピュータにある音楽データやスケジュールデータ、それからtodoリストや写真、あるいはアドレスなどなど・・・、仕事で必要なデータなどはすべてiPhoneでチェックできるから、重い15インチのMacBookを持ち歩かなくても大丈夫になったのです。

しばらくは、iPhoneと人生を共にしようかと・・・(笑)(田島)


追伸:OmniFocusというソフトが僕の仕事の仕方を一変させました。todoリストとプロジェクトマネジメント用アプリケーションの両方の機能があって、操作は単純化されて使いやすい。これがiPhoneとコンピュータ上の両方でシンクロします。脳内がクリアに整理整頓される感じがたまりません。

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