今日、久しぶりに日本橋の馬喰町に行ってきました。
以前手がけたオフィスビルのリノベーション物件のオーナーを挨拶がてら訪問しました。
2003年から3年間ほど、日本橋から神田エリアでの街づくりを仕掛け、空きビル空き室を利用した都市再生を目指して活動をしておりました。そのひとつとして、このビルのリノベーションを行ったのです。
街づくりの過程で、様々な人たちをあつめて CET(セントラル・イースト・トーキョー)というイベントを仕掛けたりしました。 当時は空きビルが目立ち始め、少し寂れ始めた卸問屋街として危機的な状況でした。そんな中、若いアーティストやデザイナーに空きビルの部屋を開放し、このエリアの活性化を目指したのです。
その結果、R不動産が活躍の場を拡げ、街のあちこちに素敵なギャラリーやカフェが増え始め、我々がリノベーションを手がけたビルにも、感度の高い人間が集まり、ポジティブでクリエイティブな雰囲気が漂い始めました。
特にこの1〜2年でその成果が現れ始め、街づくり活動を始めた頃に熱く語り合った夢話が、こうやって実現し始めていることに感動しました。
一緒に活動していたそのビルオーナーと街を徘徊しながら、しばし幸せな時間を過ごしました。
例えば、隣のビルはかつては空き室の多い薄汚れた雑居ビルでした。 廃墟とは言いませんが、ほとんど廃墟目前の雰囲気を漂わせていました。それが今では、4つの素敵なギャラリーがあり、上階は 様々なクリエイティブなグループが全部屋を埋めてしまい、古いけど素敵な空気感のただよう満室可動のシェアオフィスに様変わりしていました。
現在は目黒にオフィスを構えていますが、この住宅街の中で仕事をしていると、その周辺エリアの雰囲気の違いを感じます。暮らす場所として相応しい目黒は、それはそれで落ち着いて仕事ができるので気に入っていますが、それと比較すると、経済活動のエネルギーが感じられる日本橋から神田エリアは、今後のポテンシャルを強く感じます。
人やエリアや空間が生み出す「波動」ってありますよね。そんなエネルギーをもらって自分の活動も広がっていく、という側面もあります。そろそろ来年あたり活動拠点を再考すべき時かなと、思うこのごろです。(田島則行)