テラスを巡る広がりと楽しみ
都心の繁華街街近くの角を曲がったところに、その住宅街はある。
国道沿いには10階建てが並ぶその裏に、このようなエアポケットのような住宅街があるようには見えない。たった数十メートルだけしか離れていないにもかかわらず、閑静な環境となっている。
南側には高層マンションが建っているが、光環境をシュミレーションしたところ、2階より上には冬至でも十分な太陽光が入ってくる事が確認できた。
それを受けて、生活空間をできるだけ上にあげ、3階をリビング・ダイニングとして中心的な広がりを与えつつ、屋上には、太陽光をたっぷりと受け止められるテラスも設けた。
1階は駐車場、玄関、そして予備室を配置し、2階には水廻りおよび寝室を配置した。1階および2回の北側奥の部屋にまで太陽光の明るさが届くように、小さなコートヤードを設けて明るさが確保できるように配慮した。
3階から屋上にかけては、リビングは木製の羽目板張りの勾配天井となっており、おおらかな天井高とハイサイドライトから入ってくる光が重なって、空間が連続的に繋がるようにデザインされている。
リビング横の石貼りの壁の裏には、手洗いやトイレ、そしてコートヤードに面して書斎コーナーが設けられており、広がりのあるなかに、落ち着きのある空間を創り出している。
Project Data
プロジェクト名:High Terrace House
竣工年月:2013年4月
カテゴリー:住宅
敷地面積:66.05㎡
建築面積:39.43㎡
延床面積:104.28㎡
住所:東京都港区六本木
規模:木造3階建て(SE構法)