CSビル
80年代に建てられたオフィスビルの共用部のリノベーションである。

御影石や金属パネルによる既存の共用部のデザインは、がっちりと重厚感のあるものである一方で、石の選択やレイアウト、デザインの合わせ方が甘く、今ひとつ掴みどころのない空間となっていた。つまり、そんなにも古くないにも関わらず、オフィスビルとしての顔構えが散漫であったために、ニーズに対して強いアピールポイントがなかった。

そこで、デザインとしての格式と顔構えを整えつつ、トイレや給湯室などの内装も一新するリノベーションを行うことによって、ビルそのものの価値を上げることがテーマとなった。

元々あったエントランスホールの吹き抜けを活かすために、垂直方向に立ち上がるアルミルーバーを設け、長く続く廊下の水平方向の動きを木の羽目板張りで強調し、空間全体のスケールを伸び伸びと感じられるようにデザインを行うことによって、ビル全体の雰囲気を一新することができた。
Project Data
プロジェクト名:CSビル
竣工年月:2008年5月
カテゴリー:リノベーション,インテリア
住所:東京都港区
用途:オフィスビル
面積:917.16㎡